最高品質の再生ウェーハを製造08月29日 14時42分

時 代は常に変化し続ける。科学技術が時代をリードする風潮のなかで、非常に重要な仕事に従事する人びとがいる。創造的思考によって、先端技術を手の届かない 高みから一般の人びとにも手に取れるところにまで一般化する人たちである。彼らは時代を画する製品の発明者と同じように重要だろう。株式会社RSテクノロ ジーズの方永義社長もその一人である。

3月24日、株式会社RSテクノロジーズは東京証券取引所マザーズに上場した。この上場は「新華人が奮闘努力している最高の証明」と、各方面から高 く評価された。この20数年間で、日本でゼロから出発し最終的に上場を果たした新華人による企業は5社、大変希少な例であり、方永義が設立した株式会社 RSテクノロジーズもそのうちの1社である。

方永義を成功に導いたのはRSテクノロジーズの「ウェーハリサイクル」事業である。これは一般人には耳慣れないものであるが、彼はこのように分かりやすく説明してくれた。

「ウェーハは半導体には欠かせない主要材料の一つです。一つの半導体を製造するには700以上の工程が必要ですが、その工程の一つ一つでコントロー ル・ウェーハの品質測定が必要です。さもなければ不良品が製造されるかもしれません。以前、コントロール・ウェーハは使用後廃棄されていましたが、産業の 急速な発展にともないウェーハ材料が大きくなり、コストも高くなったため、6インチのウェーハ製造が開始されてから、廃棄するのはもったいないと考えられ るようになり、そこからリサイクル事業が始まりました。ウェーハの再生は当社の中心事業で、使用済みウェーハの上の薄い膜などの汚染物質を研磨や洗浄に よって再生利用し続け、ウェーハの厚さが必要最低限度以下になってからようやく廃棄するか、あるいは太陽光発電事業に利用します。以前コントロール・ ウェーハは単価が80ドル前後でしたが、当社のリサイクルウェーハは20ドルと4分の1の価格で、生産コストを大幅に下げ、メーカーにディスカウントの余 地を提供しました。これは消費者が安価な電子製品が買える原因となっています」。

RSテクノロジーズの日本市場でのシェアについて聞くと、「当社は世界最大のウェーハ再生企業であり、シェアは世界単位で計算しています。当社の台南工場が今年後半に正式に稼働開始されると、シェアは現在の19%から24%に上昇します」。

 

誘惑には確固たる態度で

1988年8月の来日時、16歳の方永義の日本に対する印象は「清潔」の2字であった。初めて日本の会社でアルバイトをした時、彼は会社の厚い絨毯 を見てぼう然としてしまい、靴で踏むことがはばかられた。彼は靴を脱ぎ、はだしで絨毯に乗った。「私もこの国でこんな会社を持つぞ」と固く心に誓った。

1998年3月、方永義は修士課程修了後、日本のタイヤ回収企業に入社し、国際業務を学んだ。半年後、彼はその業務は難しくもなく自分でもできると思い、自分が腕を揮う時が来たと考えた。

そして、10月に株式会社永輝商事を設立した。学校を出たばかりの彼は資金もなく、両親からの援助も期待できなかったが、彼の実家では駆けずり回って1200万円をかき集めてくれた。

この金額では日本の会社の場合、一取引しかできない。うまくいかなければすぐに倒産してしまう。詳細に検討した結果、永輝商事は古いパソコンの回収 に目を付けた。日本の家庭ではパソコンをどんどん買い替えるが、不用になったパソコンは粗大ごみとして処分に費用を払う必要がある。永輝商事ではこれらの 不要パソコンを安い価格で買い取り、中国に輸出した。数台、十数台から最後にはコンテナにまで拡大し、永輝商事は初期資金を稼ぎ出し、その後は急速に大き くなった。会社を設立して15年間赤字になったことがないのは奇跡と言ってもよい。現在、永輝商事グループは800名の社員を擁する多国籍企業へと発展 し、太陽光発電、半導体事業、特殊材料製造、IT業、ホテルサービス業、飲食業へと業種も拡大した。

永輝商事の成功は、優秀な経営能力は往々にして正確な眼力から生まれ、それには理想を実現するための長年鍛えたビジネス脳が必要であるということを証明している。

 

老舗日本企業から購入しリサイクル

2011年1月、永輝商事は日本のラサ工業株式会社の半導体ウェーハ再生部門を買収し、方永義の資産管理会社を中核としてRSテクノロジーズを設立 した。ラサ工業は25年の歴史を持つシリコンウェーハ再生企業であり、世界における先駆者であるだけでなく、世界で最大のシリコンウェーハ再生製造企業で ある。日本のきびしいユーザーも、その品質を認めていた。彼はこの伝統をさらに持続拡大していくにはどうすればよいか、熟慮を重ねた。

彼はセールスポイントを高品質、環境保護に置いた。多くの日本の半導体メーカーは、RSテクノロジーズのリサイクル品を「新品よりもきれいだ」と絶 賛する。また、そのコストが新品の4分の1であることから、RSテクノロジーズの再生ウェーハは大変な人気がある。平均すると10回以上再生する独自の加 工技術は、同業者にはとても追い越せないものだ。

RSテクノロジーズの主要基地である宮城県大崎市の三本木工場で対応可能なウェーハは5インチ、6インチ、8インチ、12インチである。各サイズについてそれぞれ5万枚、5万枚、14万枚、16万枚の生産力を持つ。

市場のニーズに応え、最近RSテクノロジーズは78億円を投入し、三本木工場内に2万枚の12インチ生産力を増強させただけでなく、同時に台積電 (台湾積体電路製造股份有限公司、TSMC)「台南科学工業園区」の斜向かいに台湾の生産基地、台南工場を増設した。ここは12インチ加工、月産10万枚 の生産能力を持つ。三本木工場内にはさらに世界はじめての18インチ生産ラインを新設、月産1万枚に達する。そして、一連の投資により、RSテクノロジー ズが対応できるサイズは5インチから18インチとなっただけでなく、12インチの生産力が毎月28万枚に達し、同業他社をはるかにリードするトップ企業と なった。

2013年RSテクノロジーズの売上高は32億円、2014年には45億円を突破し、税引き前利益は12億円となった。2015年から2016年にかけて台湾工場が生産開始すると売上高は大幅に増加する見込みだ。

方永義は、工場、技術、設備だけでなく、社員を最も大切にすることが核心的価値だと話す。2011年3月11日、日本を東日本大震災が襲った。シリ コンウェーハを生産する機器はすべて超精密機械であり、震度5クラスの地震でも機械類は調整が必要となり、生産停止を余儀なくされる。工場がある宮城県は 震度6に達した地点が多く、地面がひび割れ、屋根も落ち、半年間生産が停止してしまった。

企業買収したばかりの方永義のポケットは空になっていた。すでに手が回りきらないのに、あいにく災いは続く。生産は停止し、顧客もいない。会社はまさに危機に陥った。しかし、彼は社員への給料をきちんと払い続けた。

方永義の善意は社員の気持ちを変えた。彼がラサ工業のシリコンウェーハ部門を買収した後、ラサ工業の日本人社員は新しい社長が中国人になったことに 不服を感じていたにせよ、地震発生後、この中国人社長が給料の支払いを止めなかっただけでなく、危険を顧みずに自身で生活物資を運んできたことに、皆大変 感激した。現在でも当時の話をすると涙を流すほどである。方永義と日本人社員との心は強く結び付いた。全員で同じ船に乗り、難関を越えたのである。

 

日中製造業の違いは機器でなく人にある

日本の精密製造業の成功者として、日本のトイレなどが中国人観光客に爆買いされるのを見ると、方永義は日本人社員に対する称賛の気持ちが湧く。彼は次のように率直に語った。

「その差は製造設備にあるとはいえず、社員の資質とマネジメントレベルの差にあります。実際には中国の製造機器は日本より良いものも多いのですが、 機械は人によって動くことを忘れてはなりません。日本人は一つの場所にとどまり、一つの技術を一生磨き続けることができます。当社にはチップを置くという 簡単に見える作業でも10年間続けられる日本人社員はいるが、中国人は3カ月間もしないうちに退屈だからと配置転換を要求してきます。同じ仕事で勤務10 年間と3カ月にどんな違いがあるのか。もし製品に問題があれば、日本人社員は一目でどこに問題があるかが分かり、すぐに修正できます。彼らはどのような力 でチップを置けば製品が最高品質となるかを理解しています。正確な力で軽く置くことをマスターすることが、最後には製品の品質のためのキーポイントとなり ます。なぜ中国で生産し日本で販売する製品でも品質を保証できるのかというと、日本人はマネジメントを通して社員をその高いレベルまでトレーニングするか らです。日中製造業の差は機械にあるのではなく、人にあるのです」。

在日華人企業の役割について、方永義は独自の見解を持っている。

「環境のことをよく知らないし、さらに中日の政治的関係が悪いので、多くの日本企業は中国に市場開拓に行こうとしない。しかし日本市場が縮小してい る中で、日本企業は中国進出しなければおしまいです。日本企業には技術があり、中国企業には市場(マーケット)がある。今まさに技術の転換期にあり、両国 の提携は日本企業だけでなく中国企業のためにもなる。中国と日本をよく知っている在日華人の企業家が大いに活躍するチャンスです。日本の技術と中国の市場 をつなげられる人間がこれからの時代の王者になります。私は近年4つの日本企業を買収しましたが、すべて成功しています。政治家や芸術家とは違い、在日華 人企業家は両国の交流のために貢献し、この分野でもっと存在感を示すべきです」。

 
 
 

情報元:人民日報海外版日本月刊